未来の天気予報

 予想最高気温は東京、名古屋44度、札幌41度。接近中の台風は中心気圧895ヘクトパスカル、最大瞬間風速90メートル…。環境省がウェブサイトで公開している動画「2100年未来の天気予報」だ▼世界で温暖化対策が進まなかった場合の未来を、テレビの天気予報形式で紹介する。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書を基に試算した気象庁の予測では、日本の年平均気温は4.5度上昇するという▼猛暑や豪雨、台風の記憶がまだ鮮明なだけに絵空事には思えない。しかも、この夏の「異常さ」は日本だけではなかった。米西部とアルジェリアでは最高気温が50度を突破。北欧の北極圏でも33度に達し、ギリシャなどでは大規模な森林火災も相次いだ▼未来の天気予報に戻ると、気温30度以上の真夏日は大阪で136日と4カ月半。東京でも104日に増え、動画の気象予報士は熱中症への警戒を呼び掛ける▼また気温の上昇により大気中の水蒸気量が増えて大雨が降りやすくなる。このため動画では局地的な豪雨や川の氾濫、崖崩れの多発を伝えている。加えて世界気象機関(WMO)は台風やハリケーンの巨大化に警鐘を鳴らす▼少子高齢化がそうであったように、危機が差し迫らない限り、政治も社会も動きは鈍い。まさか自分たちの時代は「まだ大丈夫」と対応を先延ばししているのではあるまい。人手不足を外国人労働者で補うのとは訳が違う。エネルギーの転換はもちろん、木を植え木陰や「緑のダム」にするにも年数がかかる。(己)

2018年10月7日 無断転載禁止