出雲駅伝 節目の30回 住民パワー 継続支える

地元関係者らと交流する「さよならパーティー」の特設ステージ上で盛り上がる参加選手たち=出雲市大社町菱根、島根ワイナリー
 今年で30回目の節目を迎えた「出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)」(日本学生陸上競技連合、出雲市主催)が8日、島根県出雲市内で開かれ、各大学のランナーが出雲路を駆け抜けた。大学三大駅伝の一つとなった大会の裏には、選手の安全を守ろうと第1回大会から沿道に立ち続ける男性や、選手を盛り上げ、もてなす地元関係者の姿があった。

 「何事もなくてよかった」

 30年連続でボランティアの交通整理員を務めた金築功さん(76)=出雲市東林木町=は同日午後、4区で最後の選手が通過するのを見届けると、今年も安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 鳶巣地区交通安全対策協議会の一員として「とにかく事故があってはならない」との思いで整理員を引き受けたのが1989年。以来、1度も欠かすことなく、第4中継所がある鳶巣コミュニティセンター(出雲市東林木町)付近の沿道に立ち続け、コースに車や観客が入らないよう大会を支えてきた。

 過去には大会前日にぎっくり腰になり、腰を押さえながらやりきった経験もある。大会への思い入れは人一倍強いだけに「元気なうちは続けたい」と続けた。

 沿道では多くの地域住民も声援を送った。同市平田町では地元のダンスチーム「ひらSON Kids」約30人がコース脇でヒップホップダンスなどを踊り、盛り上げに一役買った。メンバーの馬庭亜実さん(12)=同市立灘分小6年=は「選手に応援が届くよう、笑顔で元気な声を出して踊れた」と汗を拭い、充実感を漂わせた。

 レース終了後には、同市大社町菱根の島根ワイナリーで選手、監督らと、地元関係者など約千人が交流を深める恒例の「さよならパーティー」があった。

 ただ競争するだけではなく、大会後も出雲との縁をつないでほしいと、出雲そばやサザエ、ワインなどの特産品を並べ、特設ステージ上では各大学が名物応援歌などを披露した。

 一体感に包まれた会場の中、主催団体「炉談の会」の曽田俊彦会長(62)=同市荒茅町=は「出雲を心のふるさととして、一生の記憶に残してほしい」と感慨を込め、地域が誇る「出雲駅伝」がさらに10年、20年後も続くよう、地元住民で支え続けていく決意を新たにした。

2018年10月10日 無断転載禁止