江津・水田さん 自作紙芝居で読み聞かせ 古里の大切さ伝える

オリジナル紙芝居の読み聞かせ活動を続ける水田卓彦さん。子どもたちの笑顔が活動の原動力だ
 島根県江津市桜江町後山の水田卓彦さん(74)が、地域の子どもたちに友情や古里の大切さを伝えようと、自作のオリジナル紙芝居を使った読み聞かせ活動を桜江小学校で続けている。江の川や、動物との触れ合いなどをテーマに、画用紙に色鉛筆で登場人物を生き生きと描いた物語は14作品を数え、自ら情感たっぷりに読み聞かせ、子どもたちの心を育んでいる。

 水田さんは江津市内の電機メーカーを退職後、4年前から同校での読み聞かせ活動に参加している。当初は、他の有志8人と共に図書館の本を読んでいたものの、地域のことを扱い、視覚にも訴える紙芝居で児童を楽しませようと、15分程度の物語の自作を始めた。

 地元を流れ、中国太郎の異名を持つ江の川を題材にした「太郎物語」は、たきぎを拾って風呂の湯を沸かし、アユやカニを取って食卓をにぎわせた昔の生活を紹介するとともに、家の仕事を手伝い、親孝行する子どもたちの姿を伝える。「忠一とキツネ」は、山の中で足を痛めたキツネを救い出した男性がキツネと助け合って暮らす様子を描いた。

 構想から作画が完了するまでに1~2カ月はかかる。家族や生まれ育った地域の思い出を詰め込んだ作品は「自分の宝物」で、7月の西日本豪雨で江の川沿いの自宅が約1.6メートル浸水した際は、水かさが急激に増す中で紙芝居を真っ先に胸に抱き、逃げた。

 桜江小学校では1~6年生を対象に、決まった月に毎週1回程度の頻度で読み聞かせをし、登場人物によってしゃべり方や声の大きさを変えて雰囲気を出すなど工夫する。

 身を乗り出すようにして物語を聞いた子どもたちが「おじちゃん、また来てよ」と言ってくれるのが何よりうれしいといい、「仲間と仲良く生きる大切さや人への優しさなど、地域の子どもたちに伝えていきたい」と力を込める。

2018年10月31日 無断転載禁止