大元神楽6年に一度の奉納へ 若い世代も継承一翼 江津・桜江

6年に一度の式年祭を控え、練習に熱が入る市山神友会の会員
 島根県江津市桜江町市山の飯尾山八幡宮で17日、6年に一度の式年祭があり、国の重要無形民俗文化財に指定されている「大元神楽」が奉納される。「神がかり」の儀式を残す希少な民俗芸能ながら、人口減や高齢化で伝統継承の環境は年々厳しさを増している。氏子でつくる「市山神友会」(本山徳幸代表、会員35人)が、先人が大切に守り伝えてきた文化を後世に引き継ぐため、若い担い手の育成に力を注ぎながら練習に励んでいる。

 邑智郡に伝わる大元神楽は石見神楽の原型とされる。神職による神事舞が受け継がれ、神がかりによって神のお告げを聞く「託宣」と呼ばれる古い儀式を残しているのが特徴。1979年に重要無形民俗文化財に指定された。

 一方、研究者によると、神がかりを目指す本格的な様式の大元神楽は昭和初期以降、担い手不足などでほとんど見られなくなったという。市山地区でも長らく行われなかったが、氏子有志が94年に再興し、6年ごとの式年祭で奉納している。本格様式を志向するのは現在、邑智郡内でも市山神友会のみとなっている。

 同会は本番に備え、7月に本格的な練習を開始。仕事を終えた会員が週5日、本山代表らの指導を受ける。式年祭は夜を徹し、舞と神事で計44に及ぶ演目を行う。このため、若い世代の氏子が声を掛け合って20~40代の15人ほどが集まり、先輩世代から夜半まで舞や楽の手ほどきを受ける。

 5年前にUターンし、会に加わった宇都宮将さん(41)は「地域を担う次の世代が当事者意識を持ち、素晴らしい財産を後世に伝えていかねばならない」と誓う。本山代表(70)は「若者も年配者も、会員が一心となって気合を入れて本番に臨みたい」と力を込めた。

2018年11月5日 無断転載禁止