女子ログ 住めば都

 若かりし頃、東京で就職し、歓迎会なるものを開催していただいた時のこと。「とりあえず握手してください」と言われた。新入社員に対してのあいさつなのだろうとニコニコしながら「どうぞよろしくお願いします」と握手すべく手を差し出したところ、「島根県出身なんだってね。生まれて初めて島根県人に会ったんだよ。これからもめったに会えないだろうから」と言われた。

 確かに。日本でも人口が少ない上に高齢化率の高い島根県の20歳代に出会うのはかなりレアな確率ということなのだ。

 高校の地理の教科書に東京から時間距離の一番遠い所として島根県が載っているそうだ。

 残念ではあるが、ある意味希少性の高い県であることは間違いない。島根県在住歴40年弱の感想は、海と山に囲まれて、ある程度の街も形成され、食べ物も新鮮な物が手に入る。都会の生活のメリットも経験したが、暮らしという面でいうと、渋滞も少なく、通勤や移動の時間も短く、時間的な余裕が断然大きい。

 難を言えば映画館が少なかったり、新幹線が通っていなかったり。自家用車での移動が基本なため、日常的に歩くことがほとんどないこと。島根県は縦に長いため、県内の移動が少々遠いこと。でもここに暮らせることは幸せなことと実感している。住めば都なのだ。

 (浜田市・風田凪子)

2018年11月6日 無断転載禁止