石見出身の芸術家知って 石正美術館で展示会

収集した長浜焼を前に、地元の芸術家の魅力を紹介する三浦博文さん
 島根県浜田市三隅町河内の古美術愛好家の三浦博文さん(75)が30年以上かけて収集した県西部出身の芸術家らの作品を紹介する展示会が、同町古市場の石正美術館で開かれている。同市内で20世紀初頭ごろまで長浜焼を制作していた永見家が手掛けた置物や、地元ゆかりの作家による日本画や書など68点が並ぶ。三浦さんは愛着のある収集品を通し、地元の芸術家に対する関心が高まることを期待する。

 地域の歴史に興味を持っていた三浦さんは古美術品にも目を向け、農協に勤務していた40歳の頃から、地元で採取した粘土を使って制作された長浜焼をはじめ、県西部出身の芸術家の絵画、書などの収集を始めた。こつこつと手元にそろえ、「素晴らしい作品を残しながら、あまり知られていない芸術家もいる」として、自身のコレクションを通して功績を広く伝えようと展示会を企画した。

 展示品は、安土桃山時代に豊臣秀吉が朝鮮半島に攻め込んだ「文禄・慶長の役」に参加した永見氏隆が帰国の際に陶工を連れて帰り、陶器を制作させたのが起こりとされる長浜焼が中心。カエルやサルを題材にした精巧な置物が並ぶ。

 他にも、大田市出身の南画家・西晴雲(1882~1963年)や邑南町出身の日本画家・田中頼璋(らいしょう)(1866~1940年)らの作品、津和野町出身の啓蒙思想家・西周(1829~97年)が漢詩を記した書もあり、来場者が興味深そうに鑑賞している。

 三浦さんは開会に合わせて会場に訪れ、収集品を大事そうに見ながら「展示会をきっかけに、石見の芸術家たちへの関心が広がってほしい」と来場を呼び掛けた。18日までで、入場無料。

2018年11月7日 無断転載禁止