私設図書室 人気じわり 古民家改装5000冊 松江・雑賀

私設図書室で本について語り合う小林正嘉さん、京子さん夫妻
 昭和初期の木造住宅を改装し、松江市雑賀町にオープンした私設図書室「書嘉庵」が、じわりと人気を広げている。開設したのは、2年前に東京から移住した小林正嘉さん(62)と京子さん(59)夫妻で、直近の話題作から名作まで5000冊以上を所蔵する。愛好家がお勧め本を教え合うなど地域の交流の場となっている。

 小林さん夫妻は約30年間東京で暮らした。松江市雑賀町出身の京子さんが、古里で独り暮らしする母を心配し、2016年11月に移住した。京子さんは、かねて「集めた本で図書室を造りたい」と考えており、町内で古い木造住宅があるのを見つけ、400万円でリフォーム。和室だった1階の3部屋を約20畳の大部屋に改装し、押し入れと床の間を本棚に作り替え、6月にオープンした。

 正嘉さん所有の本を中心に、町内のお年寄りや東京時代の知人らから寄贈を受けた幅広いジャンルの本を並べる。芥川賞受賞作「コンビニ人間」(村田沙耶加著)や、テレビドラマで人気の「下町ロケット」(池井戸潤著)などの話題作に加え、夏目漱石や太宰治ら文豪の著作、正嘉さんが好きな小林信彦の小説や随筆も取りそろえる。

 近隣住民を中心に利用者が増えつつあり、正嘉さんは「著名でない作家の本に意外な発見がある。気軽に手に取ってほしい」と呼び掛け、京子さんは「貸し出しだけでなく、紙芝居や音楽を楽しむ催しも企画したい」と語った。

 借りる際は、本人の名前や著書名をノートに記入する。返却期間は特に定めていない。

 書嘉庵の住所は松江市雑賀町783の2、建物前に1台駐車できる。平日は午後1時~同5時、日曜は午前10時~午後4時。水曜、土曜、祝日は閉室。

2018年11月9日 無断転載禁止