ボヘミアン・ラプソディ

 英国のロックバンド・クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの伝記的映画「ボヘミアン・ラプソディ」がヒットしている。日本でも人気の高い楽曲にまつわる秘話や主人公の苦悩、メンバーとの絆を描いた物語に世代を超えて称賛の声が相次ぐ▼中学生だった1980年、バンドが全米制覇を果たした頃から聴き始めたファンの一人。91年にエイズの合併症によってフレディが45歳で死去した際には大きなショックを受けた▼英国らしいポップセンスにあふれ、華麗さと下品さが同居したようなクイーンの音楽性は唯一無二で、映画でも存分に伝わってくる。85年の伝説のライブを再現した場面は、会場にいるかのような気分で盛り上がれる。都会地を中心に、観客が一緒に歌ったり、手拍子したりできる「応援上映」も広がっている▼音楽映画といえば今年は米国ミュージカル「グレイテスト・ショーマン」もあった。オリジナルの楽曲が素晴らしく、繰り返し映画館に足を運んだ。ある回では、エンドロールが完全に終わるまで、誰一人席を立たなかった。みな余韻に浸っていたいのだな、と「一体感」を抱いた▼衛星放送で4K8K放送が始まり、家庭でのテレビ視聴はさらに進化しそうだが、映画館でなければ味わえない魅力がある。「ボヘミアン・ラプソディ」は大スクリーン、大音量で感動を共有するにはぴったりの作品だ。(輔)

2018年12月2日 無断転載禁止