女子ログ ギフト

 よく使う高速道路の横に建つ家の窓に、すてきな贈り物がある。おそらく車からよく見えるようにと窓全面に張り付けられたその大きな飾りを見るのが、昔からの楽しみだった。

 私が免許を取る前は助手席から窓におでこをくっつけて食い入るように眺めていた。運転するようになったいまなら分かるが、ちょうどそこは側道からの合流地点にさしかかる場所で、曲がってくる車に注意しつつスピードを緩めて、広域に目を配るときに視界に入る位置である。高速道路のストレスや朝の通勤時間帯の渋滞でイライラしがちな心をいつも癒やしてくれる、絶妙でベストなスポットである。

 ハロウィーンが終わり、クリスマス飾りにはまだ遠いこの時季の飾りはなんとカニである。おいしそうな真っ赤なカニがどでかく窓に張り付いているのを最初に見たときには、なるほどと拍手喝采したくなった。このエッセーが掲載される頃には飾りはクリスマスモチーフに姿を変えているだろう。それが鏡餅あたりになる頃には新しい年がやってくる。

 高速道路を通勤で使うようになって1年。ゆっくりと肩の力が抜けて周りが見渡せるようになった今日この頃、名も知らないその家の人が誰かの(もしくは皆の)ために用意したその気持ちに、深く感謝の心を返したい。

 (安来市・ふかみどり)

2018年12月2日 無断転載禁止