繊細、優美 匠の技 日本伝統工芸展開幕 松江

陶芸や染織などの伝統工芸作品に見入る来場者=松江市袖師町、島根県立美術館
 人間国宝(重要無形文化財保持者)らの作品を集めた工芸界最大規模の公募展「第65回日本伝統工芸展」(山陰中央新報社など主催)が5日、松江市袖師町の島根県立美術館で開幕した。山陰両県の作家11人の作品を含む、繊細な匠の技が光る280点が並ぶ。25日まで。

 全国12会場を巡回。陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門で、伝統を受け継ぎながら新たな創造に励む作家の作品を展示している。地元からは島根6人、鳥取5人が入選している。

 倉吉市の福井禎さん(86)による染織「木綿手紡絣(もめんてぼうかすり)着物『レーニン広場の記憶』」は、熱を加えず自然発酵させた藍液を使う「正藍染め」で、2年前に訪れたロシアのレーニン広場を表現した。出雲市の吾郷江美子さん(71)が制作した人形「紙塑紙貼(しそかみばり)『雨のち晴』」は、閉じた傘を右手に、空を仰ぐみこの、あどけない中にも品がある表情づくりに力を入れたという。

 友人と鑑賞した境港市財ノ木町の松篠嘉代子さん(65)は「機械には出せない、人間の手仕事の細やかさに感激した」と話した。

 会期中無休。9日午後1時半から、人間国宝の陶芸作家・福島善三さん(福岡県東峰村)が講演する。会期中の週末には地元作家らによる作品解説がある。

2018年12月6日 無断転載禁止