ゼロからのスタート

 大阪・花園ラグビー場を舞台に、あす決勝を迎える全国高校ラグビー大会。平成最後の王者が決まるのを前に、新たな一歩を踏み出したのが、今大会を最後に広島・尾道高の監督を退いた梅本勝さん(55)。山陰では江の川高(現石見智翠館高)ラグビー部の初代監督と言った方が通りがいいかもしれない▼江の川でゼロからチームをつくり上げ、1991年に花園初出場。10年連続出場を果たした後、当時コーチだった安藤哲治さん(45)に監督を譲り、故郷・広島に戻って尾道高でラグビー部を立ち上げた▼だが、17人の部員は未経験者。花園を懸けた広島大会では広島工高に0-93で大敗した。それでも江の川で培った指導力を発揮し、創部2年ながら2004年春の全国選抜大会に出場。当時、筆者の取材に対し「島根での下地があったから、こんなに早く全国舞台を経験できた。いずれ花園で江の川と対戦したい」と話した▼あれから14年余り。尾道を13回花園に導いて、4強入りも経験した名将は今大会を最後に後進に道を譲ることを決断。2回戦で安藤監督率いる石見智翠館と念願の花園初対戦が実現したものの、7-22で敗れた▼梅本さんは今春、ラグビー部が新設される岡山・倉敷高へと移る。3度目のゼロからのスタートにも、今回敗れた古巣に「いずれ倍返しします」と意気盛ん。石見智翠館にとっては強力なライバルが誕生しそうだ。(健)

2019年1月6日 無断転載禁止