仕事みてある記 遺跡や史跡掘り出し生活や文化ひも解く

埋蔵文化財発掘調査員

 吉松(よしまつ) 優希(ゆうき)さん (松江市打出町)

「文字のない時代の生活や文化をひも解けるのが考古学の魅力」と話す吉松優希さん=松江市大草町、出雲国府跡
 松(まつ)江(え)市大(おお)草(くさ)町にある国の史(し)跡(せき)「出(いず)雲(も)国(こく)府(ふ)跡(あと)」で現(げん)在(ざい)、島根県教育委員会による発(はっ)掘(くつ)調査(ちょうさ)が進められています。発掘調査員として2018年度から同史跡を担(たん)当(とう)する埋(まい)蔵(ぞう)文(ぶん)化(か)財(ざい)調査センター(同市打(うち)出(で)町)の吉(よし)松(まつ)優(ゆう)希(き)さん(25)は考(こう)古(こ)学(がく)の仕事を「文字がなかった時代の遺(い)跡(せき)もたくさんあり、掘(ほ)ってみないと当時の生活や文化は分かりません。それらをひも解(と)けるのが考古学です」と話しています。

 出雲国府跡は今から約1300年前の奈(な)良(ら)時代初めに建てられた役所の跡(あと)で、同市大(おお)庭(ば)町の県立八(や)雲(くも)立つ風(ふ)土(ど)記(き)の丘(おか)展(てん)示(じ)学習館から東へ1.5キロ離(はな)れた意(い)宇(う)川(がわ)沿(ぞ)いにあり、面積約42万平方メートルが史跡に指定されています。同県教委は国府跡の全体像(ぞう)を明らかにするため、1999年度から発掘調査を再(さい)開(かい)。2018年度までに約1万4千平方メートルを調査しました。

 埋蔵文化財の発掘調査は、道路を造(つく)ったり、川を広げたりする公共工事の計画場所にある遺跡を記録として保(ほ)存(ぞん)する目的のものと、国府跡のような史跡を学術(がくじゅつ)研究する目的の二つがあります。

 吉松さんら調査員は、現場での発掘作業で出土した土器などの遺(い)物(ぶつ)や遺(い)構(こう)を調査、整理し、結果を報(ほう)告(こく)書(しょ)にまとめます。「関係する土器や遺構が見つかり、歴史を考える上で重要な手がかりになった時が喜びです」

 吉松さんは山口市出身。元もと歴史が好きで、高校時代に学校の先生になることを希望していました。発掘にも興(きょう)味(み)を持ち、大学や大学院で考古学を勉強した後、調査員を募(ぼ)集(しゅう)していた島根県へ来ました。

 島根を仕事場に選んだのも、358本の銅(どう)剣(けん)が出土した荒(こう)神(じん)谷(だに)遺跡(出雲市)や、1カ所から出土した銅(どう)鐸(たく)の数としては国内最多の39個(こ)の加(か)茂(も)岩(いわ)倉(くら)遺跡(雲(うん)南(なん)市)など、全国的にも貴(き)重(ちょう)な遺跡や古(こ)墳(ふん)がある所だから。

 吉松さんは今後の抱(ほう)負(ふ)を「県内の歴史について明らかにし、成果をいろいろな人に知ってもらいたい」とし、「発掘の成果を基(もと)にした調査、研究を通じて、当時の人々の暮(く)らしに触(ふ)れてほしい」と願っています。


★メッセージ

 学生時代にやりたいことをずっとやってきて、それを仕事にしたいと思っていました。自分の好きなことを見つけて、仕事に生かしてほしいですね。考古学に興味(きょうみ)を持つ同世代の若い人にどんどんこの世界へ入ってもらい、地(ち)域(いき)の歴史を伝える担(にな)い手になってほしいと思います。

2019年1月9日 無断転載禁止

こども新聞