幸福度ランキング

 島根県内8市の幸福度ランキングについて取材する機会があった。県内自治体幹部職員らを集めたセミナーで調査を担当したITサービス大手、日本ユニシス(東京)の横田賀恵研究員から聴いた。何とかランキング情報は世にあふれるが、島根県内の市町村を比べるに当たって資料集めが大変だったという▼幸福とは何かを考えだすと切りがないが、生活環境や仕事など身の周りの指標を用いて客観的に幸福度を足し上げた結果、トップは雲南市。この手のランキングなら松江か出雲と予想していたが、分野ごとに55種類の数値を積み上げていくと雲南市が最も高かった▼雲南市が高得点を挙げたのは、3世代世帯率やきょうだいの数、若者の失業率の低さ、働く高齢者が多いこと。女性の平均寿命が最も長く伝統的な祭りや文化芸能の保存活動、高齢者への福祉活動も盛ん▼家族や地域の結び付きが強く、老いも若きも働き者が多い。人口は減り高齢化も進んでいるが、行政と住民をつなぐコミュニティーの力がまだ残されている▼松江市と出雲市に挟まれた雲南市にとって県内2強の両隣は人口流出先となり、勤務先として昼間人口もさらわれている。しかし、あえて自治体の括(くく)りに拘(こだわ)る必要はないのではないか。松江や出雲で働きながら、雲南で疲れを癒やす。地域の協同の支えも心強い。職住のオンとオフの切り替え至便も「幸運なんです」。(前)

2019年1月10日 無断転載禁止