「縁」が結ぶ松江城と犬山城

 「縁」と言えば、縁結びの神として名高い出雲大社がある島根の専売特許だと思っていたが、そうでもないようだ。年末に家族旅行で訪ねた愛知県で、多くの「縁」を見つけた▼城好きな高校生の娘の希望で足を運んだのが、県の北端・犬山市にある犬山城。松江城を含む「国宝5城」の一つで、現存する12城の天守の中では最も古い。近年は入場者が右肩上がりで、昨年は過去最多の60万人を突破。最少だった15年前の3倍に上るという▼人気の理由はSNS(会員制交流サイト)の「インスタ映え」。犬山城が立つ丘の麓にある三光(さんこう)稲荷(いなり)神社の摂社・姫亀(ひめき)神社に縁結びのご利益があるとされ、7年前に「縁」の文字を入れたハート形のピンクの絵馬を販売すると、「かわいい」とSNSで人気に。奉納された無数の絵馬をバックに撮影する若い女性が後を絶たない▼人気にあやかり、空き店舗が目立った参道には飲食店やレンタル着物店などが出店。冬場にもかかわらず大勢の観光客が訪れ、着物姿の女性も見かけた。その様子は「平成の大遷宮」を契機ににぎわいを取り戻した出雲大社の神門通りと重なった▼犬山市と松江城がある松江市は国宝松本城を抱える長野県松本市と共に、3城の世界文化遺産登録に向けた支援を文化庁に要望した間柄。道のりは険しそうだが、機運を高めるため、「縁の地」を共通項にして世界へアピールしてはどうか。(健)

2019年1月11日 無断転載禁止