ペンと乳・父編(25) 無力感

 夜泣き止められず「ふて寝」

 妻との連携・協力が必要だと分かってはいるが、そうもいかず無力感にさいなまれるときがある。

 特に夜泣きだ。生後数カ月はまだよかった。だっこして部屋を歩き回ったり、ゆらゆら揺らしたりすれば成果が出た。静かに寝入る姿を見ると心は満たされた。

 ところが、しばらくすると、父母の区別ができるようになったのか、母に比べ関わる時間が少ないからなのか、夜中の父は「不要」になった。

 だっこしても、「あぎゃ~」「うぐぅ~」とのけ反り母を求める。こちらも意地がある。いつか疲れるだろうとだっこし続けても、効果的だというポリ袋のクシャクシャ音(子宮内の音に似ているらしい)を聞かせても、収拾がつかない。

 「あ~だめだ。無力だ…」と妻に託した子はたちまち落ち着きを取り戻し、乳を飲みながらスヤスヤと夢の中へ。一方、父はホッとしながらも、なんとも情けない気持ちで眠りにつく。

 その後も夜泣きの際は肩身が狭く、余裕があるときは授乳する妻に付き添うこともあるが、明日の仕事があると割り切って布団をかぶることがしばしばだ。半分「ふて寝」である。

 肩身の狭さはそれだけではない。子育てに関する主立った相談ごとのママ友の情報網は強固に見える。父親も多少悩みがあるが、いわゆる「チチ友」がいるわけでもない。

 たまに子育て行事などに顔を出すと、母親同士爽やかにコミュニケーションを図っているが、父親は最低限の交流にとどまり、所在なくたたずんでいるような気がする。

 周囲に直接言われたとすればしゃくに障るのは明らかだが、言われなくても「どうせ男は」と、静かに悲哀を感じている。

2019年1月12日 無断転載禁止