浜田ゆかりの品々一堂に 中川さん 市に寄付の貴重な品

寄付した掛け軸を前に、収集への思いを語る中川茂樹さん(右)と慶子さん
 島根県浜田市長浜町の骨董(こっとう)商、中川茂樹さん(83)が地元への愛着から収集した江戸~明治期の浜田ゆかりの美術品や骨董品38点が、同市黒川町の浜田郷土資料館の企画展で展示されている。浜田藩家老が描いた掛け軸や、皇太子時代の大正天皇が行幸の際に使ったテーブルなど、「石州物」の収集の第一人者の中川さんが市に寄付した貴重な品が一堂に並ぶ。

 中川さんは1950年代に刀剣の収集を始めた。取引の際、浜田ゆかりの品々が県外の市場に流れてしまっている実態を知り、「浜田の物をよそに置くわけにはいかない」と、中国地方を中心に骨董オークションや業者から浜田に関係する品を買い集めてきた。現在は500点以上もの関連品を所有し、妻の慶子さんと共に管理している。

 昨年12月に75歳で亡くなった宇津徹男前市長と親しく、宇津氏が在任中は、出物があるたびに市長室へ呼ばれて報告し、貴重な品を選んで同市へ寄付してきた。今回の展示は、寄付した品々をそろえた。

 浜田藩家老・岡田頼母(たのも)(1763~1836年)は、藩の窮状を救うために木材資源が豊富な鬱陵島(ウルルンド)(韓国)に向かった今津屋八右衛門の密貿易をとがめられ、自死したことで知られる。えびすと大黒を描いた掛け軸は、岡田の多彩な才覚を後世に伝える。

 また、大正天皇が皇太子時代の1907年、浜田を訪れた際に使ったテーブルや、随行した東郷平八郎の花押も、中川さんが浜田の財産として残そうと私財を投入して入手した逸品だ。

 中川さんは「骨董商の間では『石州物が出たら中川のおとっつぁんの物』と言われるほど。一度逃すと二度と会えないと思い、集めてきた」と話し、執念のコレクションを多くの人に見てほしいと望む。

 会期は3月20日まで。開館は午前9時~午後5時、入館無料で月曜日が休館。

2019年2月6日 無断転載禁止

    • マイベストプロ
    • マイベストプロ島根 マイベストプロ鳥取マイベストプロ