「津和野藩校養老館」幕末の姿に 復元工事が完了

改修工事が完了し、より往時に近い姿となった津和野藩校養老館=島根県津和野町後田
 文豪・森鴎外ら多くの偉人を輩出した島根県津和野町後田の「津和野藩校養老館」の改修工事が完了した。町が、剣術・居合柔術教場や槍術(そうじゅつ)教場だった木造平屋の建物(354平方メートル)と敷地の一部を修復し、幕末の姿を復元した。建物内では、養老館の歴史を紹介するパネルコーナーを設け、多目的スペースとしても活用。3月23日に一日限定で初公開し、4月上旬から一般公開する。

 改修では、有識者の意見や調査結果を参考に、各教場にあった藩主専用の入り口「上段」を復元したほか、埋め立てられていた槍術教場の土間部分を掘り起こして再整備するなど、往時の姿に修復。屋根のゆがみや柱の腐食などが生じていた部分を修繕した。

 養老館は1786年、8代藩主・亀井矩賢(のりかた)が藩士の教育機関として開設した。1853年の大火で焼失した後、55年に11代藩主・亀井茲監(これみ)によって現在地に再建。72年に廃校となるまで、鴎外をはじめ、啓蒙思想家の西周など幕末から明治期にかけて国内で活躍した人材を育成しており、1969年に県史跡に指定された。

 町が1971年に一度修復し、図書館や民俗資料館として使用していたが、老朽化が進んだため、2016年度から1億8千万円をかけて大規模な改修工事に取り組み、18年12月に完了した。

 町教育委員会の世良清美教育長は「町民には、かつて藩士が勉学や武道に励んだ学びの場を有効活用してもらい、観光客には、より昔の雰囲気を感じ取れる観光スポットとして親しまれてほしい」と話した。

2019年2月28日 無断転載禁止

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