仕事みてある記 石を選び、丁寧に加工お客様の要望を形に

石工職人

 岡本(おかもと) 光平(こうへい)さん (松江市末次町)

石工職人として「恥ずかしくない物を作りたい」と意欲を燃やす岡本光平さん=松江市末次町
 墓(はか)石(いし)など、石の加工品作りを仕事にするのが、石(いし)工(く)職(しょく)人(にん)といわれる人たち。松(まつ)江(え)市末(すえ)次(つぐ)町の岡(おか)本(もと)光(こう)平(へい)さん(33)は若(わか)手(て)職人の1人として、昔からある製(せい)品(ひん)だけでなく現(げん)代(だい)にマッチする創(そう)作(さく)デザイン的な工芸品作りにも取り組んでいます。

 石工職人が作る物は重さ100キロ以上ある墓石や灯(とう)籠(ろう)、石(せき)碑(ひ)などです。

 岡本さんは国産や中国、インドなど外国産の花こう岩など種類がたくさんある石からお客さんの希望に合った石を選び、デザインを考えます。石は寸(すん)法(ぽう)通りに削(けず)り、磨(みが)き、文字を彫(ほ)っていきます。大まかな部分は機械で切ったり削ったりしますが、細かい部分は石(いし)鎚(づち)やのみを使った手仕事です。そして、決められた場所に設(せっ)置(ち)し、仕事は完了です。

 製品はどれも何十年、何百年と残るだけに、岡本さんは「恥(は)ずかしくない、悔(く)いが残らないしっかりとした作品に仕上げ、きれいに据(す)え付けることが大事」と話します。

 岡本さんは明治時代から続く石材店に生まれ、「代々伝わってきたものを残していきたい」と石工職人を志(こころざ)しました。20歳(さい)だった2006年から5年間、石工品が特産の愛知県岡(おか)崎(ざき)市で修業(しゅぎょう)。石材加工の職業訓練校や地元の彫(ちょう)刻(こく)会社で技(ぎ)能(のう)を学びました。08年には、第46回技能五輪の石工職種の部で「金賞」を獲(かく)得(とく)しました。

岡本さんが意欲的に創作するカエルやフクロウなど置物の作品=松江市末次町
 石工職人の世界も若手後(こう)継(けい)者(しゃ)を育てることが課題です。仕事には「細かいところまで気が回る人、体力がある人が向くかも」と岡本さん。「お客さんに満足してもらえ、思った通りの形、立体として完成するまでの過(か)程(てい)にやりがいと達成感があります」と、仕事の魅(み)力(りょく)を話しています。

 今の仕事は墓石の製作が中心ですが、彫刻作りにも意(い)欲(よく)的で、足元を照らす石の明かりやフクロウ、カエルの置物なども制(せい)作(さく)。2011年からはほぼ毎年、石材産地として有名な高(たか)松(まつ)市牟(む)礼(れ)町で開かれるイベント「むれ源(げん)平(ぺい)石あかりロード」の石あかりコンテストに出品しています。今後も「『きれいだ』と、みんなに見て楽しんでもらえるものを作っていきたい」と張(は)り切っています。

★メッセージ
 自分は彫(ちょう)刻(こく)的なもの、創(そう)作(さく)的なものを作るのが好きです。好きなことを職(しょく)業(ぎょう)にできればベストですが、実(じっ)際(さい)は難(むずか)しく「仕事は仕事、趣(しゅ)味(み)は趣味」と割(わ)り切ることも必要です。でも、「好きこそものの上(じょう)手(ず)なれ」というように、好きなことがあれば、いろいろ挑(ちょう)戦(せん)してみるのもいいと思います。

2019年3月6日 無断転載禁止

こども新聞