口で言うのは簡単だが

 今年の島根県公立高校入試の英語問題は、なかなか奥が深くて手強(てごわ)い。狭い英語力だけでは太刀打ちできず、頭を柔らかくして発想の翼を広げなければ解けない問題も目立った。高校入試としての客観的な難易度は門外漢なので測りかねるが、一癖も二癖もある問題に挑戦した筆者も振り回された▼その中で廃校利用を取り上げた問題が興味を引いた。島根県内では過去10年間に50校以上が廃校となっていることが問題文で紹介され、その利用についてあなたならどうするかを英文で説明させる設問があった▼レストランや宿泊施設、事業所事務所など思い付きやすい例については文中で紹介されているため、それらを除くという「意地悪」な条件付きで活用法を問う。英語をいったん離れて地域課題解決の視点からアイデアを提案しなければならない▼答えはいろいろ考えられるが、正答例の一つは老人福祉施設。廃校は少子高齢化の結果であり、試験を通じて中学生たちに地域の問題を考えさせるきっかけともなる▼公立高校入試の問題といえば基礎的な学力を問うレベルと思っていたが、最近は基礎学力の上に活用力を試すようになっている。しかし中学生たちにとって活用力といっても、具体的にどう勉強すればいいか雲をつかむようなところがあるのではないか。覚える英語から使って何ぼの英語へのジャンプ。口で言うのは簡単なのだが。(前)

2019年3月14日 無断転載禁止