情報の重み

 浜田市内のコンビニエンスストアに先ごろ、「産経新聞休刊のお知らせ」が張り出された。部数減少や製作費上昇など年々高騰する経費の増加に伴い、大田市以西の島根県西部で産経新聞を3月末をもって休刊するという告知だ。系列のスポーツ紙や経済紙、夕刊紙も同様に休刊するという▼産経新聞の発行やインターネットへの配信は継続されるものの、県西部で紙の新聞がなくなるため「休刊」と表現しているようだ。購読数が少なく輸送にコストがかかる地方から撤退し、人口集積地で勝負をかける経営戦略だろうか。浜田では同紙が図書館にも入らなくなる。物事を知ったり、調べたりするためのツールが一つ減ることになり、競合他社ながら複雑な心境になる▼人々が暮らすほとんどの場所に電気、ガス、水道が通っている。ライフラインと同様、居住地によって情報伝達の格差があってはならない。テレビ、ラジオの難視聴世帯向けにはアンテナなど共聴施設設置に公的支援がある▼新聞の場合、販売店の宅配エリアから外れた山間部を中心に郵送で配達する。本紙も郵送で届けている世帯がある。日本新聞協会によると、全国では3万部以上が郵送という▼日本郵便は収支悪化や人手不足から土曜を休配にする要望を総務省有識者委員会に提出した。事情は理解できるが、地方に暮らす人の情報源の一つが途絶える重みを受け止めてほしい。(釜)

2019年3月16日 無断転載禁止