出雲・佐田「読書小屋」リニューアル かつて整備の住民有志

新しくなった本棚の前で絵本や漫画などを読む子どもたち
 島根県出雲市と飯南町を結ぶ出雲市佐田町高津屋の国道184号沿いに、子どものための「読書小屋」がある。築47年で広さ1.5坪(4.9平方メートル)ほどの木造平屋で、一見するとバス停の待合室のようだが約800冊の蔵書が並ぶ地域のミニ図書館だ。かつて整備した有志が小屋の改修や蔵書の入れ替えを行い、このほどリニューアルオープンさせた。

 1977年に「高津屋子供の家」と名付けて開設したのは当時、島根大の講師だった地元出身の有馬毅一郎名誉教授(79)。自宅車庫を自治会に寄贈し、日本ユネスコ協会から贈られた約100冊を含む600冊を備え、子どもたちがいつでも立ち寄って本が読めるよう、常に入り口を開放した。

 地区内には当時、十数人の子どもがいたというが、現在は3戸の計6人となった。全11戸のうち半数が1人暮らしのお年寄りだ。

 それでも地域で本に親しむ環境を守ろうと、有馬さんや自治会長の三原勇さん(74)らが昨秋、地域住民の協力を得ながら自前でリフォームに着手。県立大松江キャンパスを拠点にする絵本図書館「おはなしレストランライブラリー」を運営する県立大の岩田英作教授(55)の発案で、約80冊の蔵書を置く「出張所」を同居させた。

 新しい本棚には、世界中で読まれている古典的な童話や絵本、漫画のほか、大人向けの教養書もある。

 21日にあったリニューアルを祝う会では、子どもを含む住民約20人が読み聞かせを楽しんだり、新しい本を手に取ったりしていた。

 自分の体の幅よりはるかに広い大型絵本を声を出して読んだ保育園児の日高里菜ちゃん(5)は「おもしろかった。また、来たい」と満面の笑顔を見せ、三原さんも「本を読む習慣の大切さを感じる」と気持ちを新たにした。

 小屋は地元自治会が、県立大や近くの市立窪田小学校の協力を得て運営する。住民以外の利用もできる。

2019年3月26日 無断転載禁止

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