10連休対策/休み方改革の契機に

 27日から10日間連続の休みという人も多いだろう。病気の治療はどうするのか、ごみの収集車は来るのかなど心配もある。まずは地元の自治体から医療の提供体制など必要な情報を集め確認しておきたい。

 この10連休は、天皇の即位について「国民こぞって祝意を表する」ため祝日ができたことに伴う今年だけの措置だ。異例の長期だけに政府は「国民生活に支障が生じないように万全を期す」と対処方針をまとめている。

 医療は都道府県ごとに、救急対応や外来患者の受け入れなどの態勢をリスト化し4月末までに住民に周知する。家庭ごみの収集も平時とほぼ同様に実施するという。

 保育園も休みになると、働く人は子どもの預け先を探す必要がある。国は一時預かりする保育施設への補助を加算して十分に確保するというが、どれだけ提供されるのかはまだ見えていない。連休の予定が立てられるように、国や自治体は対策の具体像を早急に示すことが不可欠だ。

 サービス業を中心に連休中に働く人たちもいる。今後、代休を取れるのかが懸念される。時給や日給で働く人にとっては、収入の減少にもつながる。

 政府は対応として「その後に連続休暇を確保することも考えられる」「労使間の話し合いで賃金の減収を生じないようにすることが望ましい」などを経済団体、人材派遣団体を通じて雇用主に周知・協力を依頼するという。しかし実現が担保されておらず、不十分な対応と言える。

 働き方改革が4月から本格化、残業時間に罰則付き上限が設けられ、年5日の年次有給休暇の取得が義務付けられた。連休に出勤した分の代休が取れるかどうかは、働き方改革への本気度を測ることにもなる。雇用者側の前向きな取り組みを求めたい。

 経済の動向も注視する必要がある。金融機関や証券市場も休むだけに事業者の資金繰りや株価への影響が心配だ。工場の稼働日数が減り生産量が戻らなければマイナス影響になる恐れもある。

 一方、レジャーや外食によって消費が押し上げられるプラス影響への期待もある。旅行や宿泊の予約はほぼ満杯で値段も軒並み上昇、鉄道やレジャー会社などの株価もアップしているという。

 いつものゴールデンウイーク(GW)と同様に、多くの行楽地に観光客が訪れ、高速道路の渋滞が頻発する事態が予想される。需要のピークと閑散期の差が大きいと、ホテルなどの観光産業は正社員を増やしにくい実情がある。

 10連休を契機に、GW、お盆、年末年始と、同じ時期にこぞって休むことのデメリットにも目を向けるべきだ。改善策として、ピークをなだらかにするなどの「平準化」を進めるため、休日の取り方を再考するよう提案したい。

 民主党政権下では長期休暇を取るタイミングを地域ごとに変える分散化が議論されたが、経済界の反発もあって立ち消えとなった。分散が難しいのなら、年休を自分の都合に合わせて完全に消化できるようにすべきだ。

 政策的に連休をつくるよりも休み方の改革を進める方が、混雑を緩和し旅行を楽しめるようになる。雇用も安定し、観光を基幹産業にすることにも役立つはずだ。

2019年4月15日 無断転載禁止