写真家・星野さん著書「旅をする木」感動をサイトに 広がる共感

星野道夫さんの代表作「旅をする木」を手にする今井大造館長=江津市桜江町川戸、今井美術館
 今井美術館(島根県江津市桜江町川戸)が、アラスカの自然や動物などを撮影した写真家・星野道夫さん(1952~96年、千葉県出身)のエッセー「旅をする木」(文春文庫)の感想を専用サイトに書き込んだ上で、本を知り合いに渡してもらう「旅をする本プロジェクト」を展開している。企画には元プロ野球選手、書店経営者、主婦といった幅広い層が参加し、23年前に急逝した写真家の人柄や功績を再認識するきっかけとなっている。

 星野さんはアラスカの自然をこよなく愛し、壮大な世界を撮影した写真で人気を集めた。1996年、カムチャツカ半島(ロシア)でテレビ番組の取材同行中、ヒグマに襲われて亡くなった。

 95年に出版され、アラスカで暮らす人々や自然を描いた「旅をする木」は星野さんの代表作で、今井美術館は2017年に没後20年の回顧展を開いたのを機に、若い世代にも星野さんの功績を知ってもらおうと、星野道夫事務所(千葉県)と共同で企画した。18年12月に今井美術館と同事務所が関係先に100冊を配布した。同館に集まった感想は専用サイトで公開し、読み終わった本を知人に渡すよう依頼している。

 「旅をする木」は著名人にも渡り、元広島カープでプロ野球解説者の北別府学さん(61)は「いつのまにか夢中になり読んでいました。そして間違いなく心はアラスカに旅をしていました」と感動をあらわにした。05年の世界選手権で銅メダルを獲得した元マラソン選手で大学教員の尾方剛さん(45)は「1回きりの人生なので悔いなくやり抜きたいと本書を通じ、あらためて考えさせられました」とつづっている。

 大型連休明けには、希望者100人に同館が「旅をする木」を無料配布する予定。同館の今井大造館長(53)は「『旅をする木』は、気取らない文章が特徴で、星野さんの自然に対する思いが伝わってくる。さまざまな年齢層や地域の方に手に取っていただきたい」と話した。

2019年4月23日 無断転載禁止

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