絵師・堀江友聲と友節合作 「草花図」巌倉寺(安来)天井に

 江戸後期に活躍した出雲国広瀬藩の御用絵師・堀江友聲(ゆうせい)(1802~73年)と養子の友節(ゆうせつ)(41~76年)が共同で制作したとみられる「草花図」が、安来市広瀬町富田の巌倉寺で見つかった。島根県立美術館の専門学芸員の調査で判明した。御大師(おだいし)堂の格子天井に描かれ、保存状態が非常に良く、島根の絵画史で最も優れた画家の一人である友聲を研究する上で貴重な作品と位置付けられる。

 「草花図」は、ボタンやアサガオ、ユリ、ハスなど35種類の植物が天井板に描かれ、それぞれの大きさは縦33.5センチ、横36.5センチ。このうち、梅と水仙の2点には友節の落款があり、他は友聲との合作とみられる。御大師堂は人の出入りがほとんどなかったため、美しい色絵が残った。

 松江市袖師町の県立美術館で開催中の友聲の企画展「堀江友聲-京に挑んだ出雲の絵師」を担当する大森拓土専門学芸員(40)がこのほど巌倉寺を訪れ、実物を確認した。

 友聲は出雲国大東(現在の雲南市大東町)の出身。京都などで絵を学んだ後、40歳ごろに創作の舞台を出雲国に移し、鮮やかな色彩で精緻な花鳥画を描いた。幕末の絵師の中で、全国でもトップクラスの技量を備えていた。

 一方、友節は松江藩士の子として生まれ、友聲の右腕として工房で優れた作品制作を支えた。力量が高く評価されながら、36歳の若さで亡くなり、今に残る作品は少ない。特に落款のある絵はほとんどないため、貴重性が高いという。

 大森専門学芸員は「『堀江派』の仕事が明らかになる大切な作品。友節も友聲に似て、優れた技量の持ち主だったことを証明している」と見ている。巌倉寺の荒木清純住職(69)は「堀江親子の貴重な作品と聞き、驚いた。大切にしていきたい」と話している。

 代表作を通して画業をたどる友聲の企画展は6月3日まで。

2019年5月10日 無断転載禁止

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