メイストームにご注意を

 風薫る5月は天候にまつわる言い伝えが多い。「八十八夜の別れ霜」は、立春から数えて88日目ごろに降りる霜のこと。唱歌「茶摘み」に<夏も近づく八十八夜>という歌詞があるように初夏に向けた時期で、その頃を最後に霜と別れるという意味。今年の八十八夜は2日だった▼これに続くのが「九十九夜の泣き霜」。八十八夜を過ぎてまれに降りる遅霜のことで、農家泣かせのため「泣き霜」。日本独特の情緒あふれる表現だ。今年の九十九夜は今週初めの13日だった▼同じ13日は「メイストームデー」と呼ばれているそうだ。メイストームを直訳すると「5月の嵐」。日本の春は温帯低気圧の急速な発達により台風並みの暴風雨や竜巻が発生することがある。ただメイストームデーは自然界の嵐ではなく、人間界の嵐のこと▼2月14日のバレンタインデーからちょうど88日後に当たり、「八十八夜の別れ霜」にひっかけ「恋人に別れ話を切り出すのに最適な日」らしい。バレンタインデーから付き合い始めて3カ月近くたち、そろそろ互いの欠点が見え始め、別れを考える時期というのが由来だ。身に覚えのある人も多いのでは▼男女の気持ちが移ろいやすいことを表す例えに「女心(男心)と秋の空」があるが、竜巻を伴い兼ねない春の嵐の方が、個人的には怖さを感じる。5月もまだ半ばを過ぎたところ。天候も恋愛もメイストームにはご注意を。(健)

2019年5月16日 無断転載禁止