特派員便り 錦織の強さに緊張ほぐれる

1回戦で勝利し、観客の声援に応える錦織圭選手=パリ(共同)
 不安を払拭(ふっしょく)するかのように、赤土の上で錦織圭選手が躍動した。

 約1万人を収容する、全仏オープン会場で2番目に大きいスザンヌ・ランラン・コート。地元フランスの22歳の新鋭をストレートで下して右手の拳を力強く握ると、記者の緊張もようやくほぐれた気がした。

 今大会の取材が公私ともに初の海外経験。初戦が開幕日に組まれたため、パリの街や会場の雰囲気に慣れる間もなく取材に臨むことになってしまった。

 試合は時折日本語で「頑張れー」の声が飛ぶものの、相手がポイントを取るたびに大声援と拍手が湧き起こる。1回戦から3試合続けてフランス勢と戦った昨年同様の完全アウェー状態。そんな中でも冷静にプレーする錦織選手に、トップ10選手の強さを感じた。

 今季、成績がいまひとつだったクレーで見えた復調の兆し。試合後の会見で、試合とは打って変わって柔らかい表情で笑う姿に親しみを覚えるとともに、9度目となる全仏での活躍に胸が膨らんだ。

2019年5月29日 無断転載禁止