プラスチックごみ対策/削減に向け政策転換を

 ペットボトルやレジ袋などの使い捨てプラスチックによる環境汚染が深刻だ。安倍晋三首相は6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会合で、中国やインドなどを含め、海のプラスチックごみ対策強化で合意することを目指している。

 だが、ここ数年、海外では各国政府や地方自治体、企業などの対策が進んだのに対して日本国内の取り組みは多くの面で遅れている。G20の議論をリードしようとするなら現在の政策を抜本的に見直し、プラごみ削減に向け、本腰を入れる必要がある。

 国連などによると、世界のプラごみの排出量は年間3億トン超で、その半分弱が包装容器だ。800万トンが海に流出しているという。

 既に多くの国が対策に動きだした。昨年、国連環境計画などが発表した報告書によると、プラスチック製レジ袋の無料配布を法律で禁止したのは83カ国に達し、ストローなど特定の使い捨て製品の使用を禁じたのも27カ国に上る。

 欧州連合(EU)の閣僚理事会は、使い捨てプラスチック食器や発泡スチロール容器を禁止する新規則案を承認。2021年までに加盟各国で法制化される。規制は中国や韓国でも始まり、台湾も30年までに、使い捨てプラスチックを禁止する方針だ。

 一方、日本では、規制はおろか、レジ袋の有料化も一部にとどまっている。容器包装ごみについては、削減やリサイクルなどの目標もなく、全てが企業の自主的な取り組み任せである。

 G20に向け、国内対策強化のため政府は近く、レジ袋有料化義務付けや、使い捨てプラスチック排出量を30年までに25%削減する目標などを盛り込んだ「プラスチック資源循環戦略」を策定する。しかし、この内容では、諸外国に比べ見劣りするのは明白だ。

 日本は世界有数の使い捨てプラスチック消費国である。ペットボトルの年間出荷本数は227億本(17年度)で、1人当たりでは世界平均の約3倍。レジ袋の消費量は年間300億~500億枚とされる。あちこちにコンビニが出店し、至る所にペットボトル飲料の自動販売機が並ぶという世界的にもまれな状況が背景にある。日本で毎年出る900万トン超のプラごみのうち、約70%が焼却され、リサイクルに回るのは25%程度にすぎず、しかもその多くが海外輸出されている。

 地球温暖化防止のためのパリ協定は、二酸化炭素を出さない「脱炭素社会」の実現を求めている。有害廃棄物の国際的移動を規制するバーゼル条約の締約国会議で、リサイクルが難しいプラごみ輸出を規制する条約改正も決まった。大量生産・大量消費の末の大量焼却とごみ輸出に支えられた日本の政策は、今や行き詰まり、根本からの変革を迫られている。

 リサイクルは必要だが、使用規制や有料化、課税などを通じて使用量の削減を進めることが先決だろう。ペットボトルや食品容器の再利用の拡大、石油由来でなく環境影響の少ない代替品の開発と普及も重要だ。木材など天然資源由来の代替品の拡大は、地域活性化にも貢献する。消費者の意識改革も欠かせない。

 国際的に恥ずかしくない国内対策なしにG20参加国にプラごみ削減強化を訴えても、説得力は持ち得ない。

2019年6月2日 無断転載禁止