松江・片江にゲストハウス 「民食」でおもてなし

ゲストハウスとなる民宿の前で、地域住民と構想を語り合う青戸裕司さん(左から2人目)=松江市美保関町片江
 人口約500人の松江市美保関町片江地区で、住民有志らが、民泊ならぬ「民食」で地域を挙げたおもてなしを提供しようと準備を進めている。廃業した民宿を活用したゲストハウスに泊まってもらい、食事の時は、地域住民宅に出向いてもらって住民と一緒に調理する「民食」を採用する。交流人口拡大と住民の生きがい創出に向け、7月中のオープンを目指している。

 漁業が盛んで、無病息災を願って墨を塗り合う伝統神事「墨付けとんど」で知られる同地区は、住民の転出や少子化に歯止めがかからず、人口は2009年と比べて約200人減少。04~12年に同地区に住んだ青戸裕司さん(63)=松江市上東川津町、自営業=が危機感を抱き、民食とゲストハウスを売りにした活性化を発案した。

 民食は食事を作りたい人や食べたい人が集まり、食を通じて同じ時間を共有する新たなコミュニケーションの形で近年、注目が集まっている。

 宿泊者と住民が交流する民食のアイデアに約10世帯が協力を買って出た。今年2月、知人を通じて12人のノルウェー出身者を招き、予行練習として食事会を実施したところ、野菜の煮物といった家庭料理に喜ぶ外国人や、生き生きとした表情でもてなす住民を見て、手応えをつかんだ。4月以降は宗教上の理由で食べ物に制限がある外国人に対応した料理の勉強会を開いている。

 ゲストハウスは、青戸さんが12年に買い取った築100年の木造2階建ての民宿を改修し、最大30人が宿泊できるよう8部屋を整備する。500万円と見込む改修費の一部は、ネット上で資金を募るクラウドファンデイングを活用する(今月下旬まで)。

 料金は今後詰める。青戸さんは「お年寄りの生きがいづくりにもつながる。地区の魅力発信の拠点となるような施設を皆さんと作り上げたい」と力を込めた。

2019年6月12日 無断転載禁止

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