社民 存亡の危機直面 政党要件懸けた戦い 島根 県議不在で正念場

参院選に向け、結束を誓う社民党島根県連の関係者=5月25日、大田市大田町、大田パストラル
 社民党が存亡の危機に直面している。夏の参院選で2人以上の当選か得票率2%以上を獲得しなければ公選法上の政党要件を失うため。県西部を中心に一定の勢力を誇った島根でも4月の県議選で議席を失うなど地方議員が減り、正念場を迎えている。

 5月25日、大田市内であった社民党島根県連の定期大会。新代表に選ばれた山本誉元島根県議が約50人を前に「県内の社民党全体の存亡を懸けた戦いを進めなければならない」と語気を強めた。

 公選法上の政党要件は、国会議員5人以上▽前回衆院選か前回参院選で得票率2%以上-のどちらかを満たす必要がある。社民の国会議員は4人で、2017年衆院選では得票率2%に満たず、参院選の結果次第で政党でなくなる可能性がある。政党要件を失えば、衆院選の小選挙区と比例区での重複立候補ができなくなるなどの制約が生じる。

 参院選では選挙区と比例代表で計7人が立候補を予定する。一方、又市征治党首は比例代表での不出馬を表明。立憲民主党への移籍が相次ぐ中、山梨選挙区(改選数1)でも立民が社民に所属していた杉並区議を擁立するなど党を取り巻く情勢は厳しい。


市議6人のみ

 島根でも危機を迎えている。

 旧社会党時代、特に県西部に国鉄労働組合を中心に支持基盤があり、江津市出身の故中村英男氏や大田市出身の故吉原米治氏らを国会に送り出した。1995年5月時点で県内の党所属地方議員は県議3人、市町村議55人がいた。

 その後、民主党の誕生で県内の地方議員は半減し、労働組合の多くも民主党支持に転じた。4月の島根県議選では山本代表と元職が落選。県西部5人と県東部1人の市議計6人となり、細田実県連幹事長は「活動の中心を担う人が少なくなった」と漏らす。

 政策の柱である護憲や原発稼働反対は共産党に押され気味。「原発問題について何も発言しない候補者を応援するのにふさわしかったのか」-。25日の定期大会で、4月の島根県知事選で自民党県議14人などが支えた丸山達也知事を実質的に支援したことに党員から疑問の声が上がった。


「平和憲法守る」

 参院選では鳥取・島根合区選挙区(改選数1)に候補を立てず、比例代表での戦いに傾注する。県連は県内で1万7千票の獲得を掲げ、特に県西部は得票率5%以上を目指す。

 7日に松江市内の県連事務所に三役らが参集し、比例候補の遊説日程の調整やポスター張り出しの徹底などを確認。15日に開く常任幹事会で周知を図る。

 参院選に加え、次期衆院選の対応が課題となる。過去2回連続で候補者を擁立した島根2区に関し、細田幹事長は「立てたい思いはある」とするものの、国民民主党も擁立を目指しており、実現するかどうかは見通せていない。

 旧社会党時代からの往来を知る日高勝明県連顧問は、党の現状を「絶滅危惧種のようになってしまった。党が力を蓄えてこなかった」と嘆き、反転攻勢に向け「『平和憲法』を命懸けで守るという思いは昔から同じだ。どんな思いで政治に取り組んでいるかを若い世代に伝えないといけない」と語った。

2019年6月13日 無断転載禁止