食品ロス削減/消費者は行動を変えよう

 まだ食べられるのに捨てられる弁当や食べ残しなど「食品ロス」を2030年度までに半分に減らす目標が設定された。国会でも食品ロス削減推進法が成立した。ただ具体策は10月を食品ロス削減月間とすることや、国や地方自治体が削減計画を作ることが中心だ。

 節分の恵方巻きや土用の丑(うし)のウナギ、クリスマスケーキが大量に売れ残って廃棄されることが問題視されている。半減の達成には、消費者が意識、行動を変えることが最も重要だろう。

 食品ロスは2016年度に643万トン発生していると推計されている。1人当たり毎日お茶わん1杯分、世界の年間食糧援助量の1.7倍という計算になる。

 内訳をみると、家庭からが291万トンで、食べ残しや賞味期限切れの廃棄が多い。一方、食品製造業や小売業、外食産業など事業系からは352万トンあり、規格外品や返品、売れ残りの廃棄、食べ残しが当てはまる。

 家庭からのロスを減らすには、食べられずに捨てる食材をなくすため、冷蔵庫などにあるものをチェックしながら賢い買い物を心掛けたい。野菜を調理する際には、皮を厚くむき過ぎないといった細かな気配りも大切だ。

 賞味期限切れの前だが、食べる予定がない食材を「フードバンク」を通じて、生活の苦しい人らへの支援に回すのも有効だ。簡単に届けられる仕組みづくりを自治体には考えてほしい。

 仕事先の宴会や家族の外食でも工夫したい。例えば「3010(サンマルイチマル)運動」が始まっている。宴会の最初30分間は料理を楽しみ、お開きの10分前には席に戻って残ったものを食べ切ることを実践しよう。食べ残しは店の協力も得て、安全なものは持ち帰るようにすればいい。

 事業系のロスを減らすには、賞味期限の扱いが重要となる。賞味期限が十分あるものを消費者に買ってもらおうと、期限が残っていても小売店が返品する商習慣がある。これが大量廃棄の一因となっている。見直すためには、期限切れに近いものから購入するといった消費行動の変更が待たれる。

 コンビニ業界は、消費期限が近づいた弁当などの実質値下げに動きだした。スーパーなどが行う閉店時間近くの安売りと同じことをコンビニでも始める。実質値下げは、売れ残りを廃棄物として処理するコンビニ側や自治体のコストを考えれば当然と言える。

 品切れを避けるために多めに仕入れることも見直すべきだ。コンビニ側にはこれら食品ロスを減らす取り組みの公開を求めたい。消費者は、積極的に対策を進める店を優先的に選ぶことで、取り組みを後押ししよう。

 レストランでは急なキャンセルで食材が無駄になるケースもある。店舗も売れ残りは出したくない。価格を下げて売り切るため、お客を集めるスマートフォンのアプリも登場している。タイミングが合えば協力したい。

 日本人は「もったいない」の気持ちがあるとされてきたが、近年は賞味期限に対する崇拝が強すぎる。期限が過ぎたらすぐに食べられなくなるわけではない。消費する側の選択の変更、小さな工夫の積み重ねが社会を劇的に変えることを信じて行動しよう。

2019年6月17日 無断転載禁止