夏の甲子園 親子で挑む 平田高野球部 指導、練習 力こもる

植田悟監督(右)の指導を受け、スローイング練習に取り組む航主将
 監督、主将として夏の甲子園出場を目指す親子がいる。平田高校野球部の植田悟監督(47)と長男の航主将(17)=3年。悟さんが2年前に母校に赴任し、くしくも同時期に航君が入学した。「(母校で一緒に野球ができるのは)運命なのかな」と悟さん。当初は戸惑った航君は家では父、グラウンドでは監督と割り切り、頼れる主将に成長した。甲子園で校歌を歌う目標を果たすため、指導、練習に力がこもる。

 全国高校野球選手権島根大会を直前に控えた今月上旬、悟さんは3人の捕手に送球や捕球の技術を熱心に伝えていた。うち1人は航君。丁寧に動きを確認する。その姿に親子という雰囲気はなかった。

 同じチームになったのは偶然だった。2017年の航君の入学に、前年に出雲を初の甲子園に導いた悟さんの転勤が重なった。かねて母校で教えたいと思っていた悟さんにとっても、まさかのタイミングだった。

 「どうしていいか分からなかった」という航君。「学校では先生、監督、家では父と切り替えろ」と悟さんに言われ、1年秋に気持ちの整理ができた。「学校では父とは思わない。少しでも思ったらため口になり、チームにとっても良くない」。家ではお父さんと呼び、とりとめもない野球の話をするが、学校やグラウンドでの呼び方は先生、監督さんで徹底した。

 主将には仲間の推薦で就き、練習の準備を率先垂範するなど責任感が日増しに高まった。チームは2年秋に中国大会に出場し、選抜大会の21世紀枠補欠校に選出。高校で始めた捕手も板に付き、最後の夏に向けてチームを引っ張る。

 航君が幼い頃から悟さんは指導者だったため親子の時間は少なかったが、高校入学後の2年4カ月、野球を通じて多くの時を共有した。悟さんは「幸せなこと」と振り返る。

 平田は14日に松江市営野球場である開幕戦で邇摩と対戦する。航君は「平田地域の皆さんと甲子園で校歌を歌いたい。監督さんを甲子園に連れて行く」と力強く誓った。

2019年7月11日 無断転載禁止

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