問われるべきものはある

 山陰には店舗はないが、人気アウトドアブランドのパタゴニアが、参院選投開票日の21日に国内直営店を全店閉店する。特製ステッカーを配布し、社員や利用客の投票を呼び掛けている。ラーメン店の一風堂も、投票に行くと麺の替え玉が無料になる「選挙割」を行う▼ともに若者の投票率向上や社会参加を促すのが狙いだが、参院選への関心は依然低い。公示後の週末、都内を歩いても候補者の演説に足を止める人はほとんどなく、政権選択の衆院選と異なり、熱気はない▼一方、選挙で問うべきことは多い。とりわけ山陰など地方では政権の看板政策「地方創生」が重要。今年1月1日時点の日本の人口は1億2477万人となり、前年比で過去最大の43万人減。伸びたのは東京圏と沖縄のみだ▼一極集中は止まらない。政府肝いりの省庁の地方移転も、消費者庁の徳島県への全面移転が見送りに。島根で生まれた「過疎」の代替用語も検討されているという。田舎に魅力を感じる人も増える中、「マイナスイメージがある」らしいが、言葉だけ換えても既に限界に達している過疎地の実態は厳しい▼公示前の党首討論会で各党首は地方の行方を語らなかった。地方創生を掲げる自民の安倍晋三総裁でさえ。年金、憲法、増税など選挙で問いたいことは人それぞれある。もはや掲げられているだけに見える地方創生の在り方と行く末を忘れず問いたい。(築)

2019年7月14日 無断転載禁止