「スーパーシード」の責任

 夏の甲子園を懸けた高校球児の熱戦が山陰両県でも続く。負けたら終わりの一発勝負だけに、見る側も手に汗握る。ただ、もし特定チームの甲子園出場が事前に決まっていたら、どう思うだろう▼そんな例が過去にあった。地元開催の全国高校総体出場を懸けた16年前のサッカー長崎県大会。59校が出場した中、当時県内で無敵だった国見は決勝から登場の「スーパーシード」扱い。しかも全国切符は2枚で、決勝は第1、第2代表決定戦。試合前から全国出場が決まっており、他校の関係者はしらけてしまったのではないか▼きのう投開票された参院選でも同様の構図があった。「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区選挙区で、自民党が選挙区で候補者を出せなかった県の救済策として、候補者が比例代表で優先的に当選できるようにした「特定枠」。得票数にかかわらず、当選確実だった▼合区解消がままならない中、今回初めて導入された苦肉の策だが、最初から当選が決まっていては有権者の関心は高まらない。現に30年前は82.32%だった島根県の投票率は初の60%割れに。政治離れが加速しないか心配だ▼高校サッカーに話を戻すと、第1代表として全国大会に進んだ国見は強豪を撃破し、見事に優勝。周囲の雑音を振り払った。特定枠の当選者にも有権者を納得させる結果が求められる。参院選の「スーパーシード」の責任は重い。(健)

2019年7月22日 無断転載禁止