女子ログ 大山のユートピア

 国立公園・大山での夏場の見どころと言えば、通称「ユートピア」だろう。

 標高1200メートル以上に広がる草地で、まずは7月になるとナンゴククガイソウの群落が20センチほどの花の穂を一斉につける。まさに紫に染まる「花のじゅうたん」が斜面に広がり、登山者を圧倒する。そして、ちょうど今の時期。8月になると、ピンク色のシモツケソウに主役が交代する。

 見頃といえる期間はそんなに長くはないが、大山が一番カラフルになるのは、まさにこの時期だ。猛暑にもかかわらず、足を運んでみたくなる。

 そう思うのは私だけではないようだ。普段の季節なら夏山登山道を行く人が多いのだが、夏休み中は、大山寺の参道からユートピアを目指す人がぐんと増える。山門近くで冷たい水をくんで登る姿も目立つようになる。

 ただし、行程は決して楽ではない。よく整備された夏山登山道と違い、道があるはずの尾根筋が崩れた箇所や、ロープを頼りに登る急な斜面もある。少しひるむかもしれないが、私が行くときは、必ずベテランの登山者に同行してもらっている。一人で登山をしている人を山で見掛けることはあるが、私はあまり勧めない。万一トラブルが起きたときは大変だし、何よりも、山で出合う素晴らしい光景を分かち合う相手がいたほうが楽しい。

(松江市・ブランチ)

2019年8月6日 無断転載禁止