さんいんきらめく星 月の石

48年前に採集 サヒメルで展示

アポロ15号が持ち帰った月の石。9月29日まで展示
 月に向かって手を伸ばしても届(とど)くことはありませんが、今、月を手に取るように見ることのできるところがあります。大(おお)田(だ)市の三(さん)瓶(べ)自然館サヒメルで月の石が展(てん)示(じ)されています。

 アメリカのアポロ宇(う)宙(ちゅう)船(せん)によって人間が月に到(とう)達(たつ)したのがちょうど50年前で、それ以(い)降(こう)6回、宇宙飛行士が月から石を持ち帰りました。いうまでもなく月の石は貴(き)重(ちょう)で、日本の博物館でそれを常(つね)に展示しているところはわずかしかありません。人類の月到達50周年のこの夏に、企(き)画(かく)展(てん)として月の石を特別に展示しているのはサヒメルだけです。

 今回展示されている月の石は、1971年にアポロ15号によって「雨の海」という場所から採(さい)集(しゅう)されたものです。月の地名で「海」と付くところは広くて黒っぽい平地で、そこで採(と)れたこの石も黒っぽい色をしています。

 分(ぶん)析(せき)の結果、この石は33億4000万年前にできたことが分かっています。これは月の「海」の石としては平(へい)均(きん)的な年代ですが、先ごろ島根県津(つ)和(わ)野(の)町で見つかった日本最古の岩石でさえ25億年前のものですから、ずいぶん古いといえます。全体的に月は地球に比(くら)べ、ずっと古い岩石でできているのです。

 およそ50年前に月の各地から持ち帰られて以来、月の石は重要な研究対(たい)象(しょう)になっています。分析の技(ぎ)術(じゅつ)が年々向上するため、現(げん)在(ざい)も新しい成果が得られていて、例えば月のいろいろな場所が形作られた年代もかなり正(せい)確(かく)に分かるようになりました。そうなると、科学者たちは、月の裏(うら)側(がわ)や北(ほっ)極(きょく)・南(なん)極(きょく)など、まだ誰(だれ)も行っていない場所の石が欲(ほ)しいと思っています。

 数年後、再(ふたた)び人が月に行く計画があります。月の石の独(どく)特(とく)な模(も)様(よう)をじっと見ていると、今度はみなさんも月の石を採りに行く気になるかもしれませんよ。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)

2019年8月7日 無断転載禁止

こども新聞