出雲育ち江角さん、JALの新制服考案 出雲便でもお目見え

江角泰俊さんがデザインしたJALの新制服(EZUMI提供)
 島根県出雲市で育ったファッションデザイナー・江角泰俊さん(37)が、2020年に刷新する日本航空(JAL)の制服のデザインを手掛けた。同年4月から東京-出雲便をはじめ国内外全線で約1万4千人の客室乗務員らが着用する。風船形の袖の導入など前例にとらわれない革新的なデザインを打ち出して大役を射止め、「歴史に名が残る仕事に携われて誇らしい」と胸を張る。

 「江角さんのデザインでお願いします」-。3月下旬、江角さんの携帯電話にコンペ採用の朗報が入った。「結果がどう転ぶか最後まで分からなかった」と、当日は朝から仕事が手につかないほど緊張。約1年間、心血を注いだ仕事が結実した喜びはひとしおだった。

 JALの制服は、1951年の設立時から今回で11代目となる。20社以上が参加したコンペの結果、男女の客室乗務員と地上接客職員の制服のほか、女性運航乗務員のスカーフ、沖縄地区で夏季に着用するかりゆしウエアでデザインが採用された。

 異なる素材を組み合わせる「ハイブリッド」という手法を取り入れ、女性客室乗務員のワンピースでは、世界の航空会社でも例がない、袖が風船のように広がった「バルーンスリーブ」を取り入れた。職員の意見を聞き、業務上の動きや耐久性を考慮しつつデザインを模索。脇の部分にニット素材を入れ、JALのシンボルの鶴を連想する流線形の形状に仕上げた。

 これまでドイツの自動車大手フォルクスワーゲンや化粧品ブランド・シュウ ウエムラの制服も手掛けた。「制約も多い中でデザインと機能性の合致点を見つける」と培った経験を懸け、JALの過去の制服やパンフレットを研究して構想を膨らませ、30種類以上をデザイン。コンペを勝ち抜くための無難なものではなく、これまでにない革新的なデザインを制服に取り入れることに力を入れた。

 新たな制服は8~10年程度使用される見通しで、出雲便の機内や出雲空港でも活躍する。ファッション業界を志して故郷を離れ、海外などで修行を重ねた日々を思い起こし「やっと故郷に錦を飾れる」と笑みがこぼれる。

 広島県で生まれ、出雲市斐川町で育った。関西の短大でデザインを学んだ後、英国ロンドンの名門セントラルセントマーティンズ美術学校に入学。英トップブランドで経験を積んで2010年に帰国し、立ち上げた自身のブランド「EZUMI(エズミ)」は来年、設立10周年を迎え、世界の舞台でのファッションショー開催を目指す。歴史に名を残す仕事を成し遂げた余韻に浸る間もなく、「挑戦の弾みにもなる」と次の大きな目標に向けて走りだしている。

2019年8月14日 無断転載禁止

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