隠岐の島の中学生サッカーチーム、部員5人で奮闘

サッカー教室で園児とボールを蹴る選手=島根県隠岐の島町西町
 島根県隠岐の島町で、部員わずか5人の中学生サッカーチーム「西郷サッカークラブ中学部」が奮闘している。隠岐郡内で唯一の中学年代チームとして昨春に発足したが、選手が11人に満たないため公式戦経験はゼロ。小学生の頃からボールを追い掛ける選手たちは「隠岐の仲間と試合に出たい」とメンバーの拡大を願いつつ、ひた向きに夢を追い続ける。

 隠岐郡内には中学と高校年代のサッカーチームがなく、小学年代も西郷クラブの小学部のみ。中学進学時に他競技に転向せざるを得ない状況で、本土のチームに加入するため家族と一緒に転居する選手も後を絶たないことから、中学年代の受け皿として昨年4月に結成された。

 週5日の練習は、中学校のグラウンドで野球部などの部活が終わった午後6時半から行う。プレー経験がある保護者や住民がボランティアで指導しており、西郷南中2年の佐藤碧海(あおい)さん(14)は「プレーが続けられる環境はありがたい」と話す。

 ただサッカーより野球が盛んな土地柄ということもあり、部員は2年生3人、1年生2人にとどまる。現在、小学部に所属する8人の6年生の大半が加入しなければ、来春以降も公式戦ができない可能性がある。

 対外試合を経験する機会は年3、4回、松江市や安来市に遠征して行う現地クラブチームとの合同練習時のみ。遠征費もフェリー代や宿泊代で1人当たり1回2万~3万円と、重くのしかかる。高校でも競技を続けたいと願う小笹駿介主将(14)=西郷中2年=は「試合をしないと本当の実力は計れない」ともどかしさを口にする。

 それでも選手たちは、隠岐のサッカー熱を盛り上げようと、保育園でサッカー教室を開くなどして底辺拡大にも力を注ぐ。

 西郷クラブの小学部出身で、Jリーグやタイのプレミアリーグで活躍した平野甲斐さん(32)=北信越リーグ1部・富山新庄クラブ=は「離島のハンディはあるが一生懸命プレーしてほしい」と後進にエールを送り、中学部保護者会の新居(にい)篤使会長(38)も「人数が少なくても子どもの夢を応援したい」と、離島でもサッカーを続けられる環境を目指し続ける。

2019年8月19日 無断転載禁止

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