破竹の勢い

 職場の向かいの席で著作権業務を担う同僚の元に春以降、東京のテレビ局や番組制作会社から電話が相次いだ。かなり珍しいこの現象は、山陰から飛び出したバンド、ヒゲダンことOfficial髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)が理由。記事使用の問い合わせだった▼全国デビューを2015年4月に果たすと報じた同年2月の本紙記事が音楽番組で紹介されるなどした。島根大と松江高専の学生4人が12年に結成したピアノポップバンドは上京後、ドラマや映画の主題歌を歌い、今やヒットチャート上位の常連に。まさに破竹の勢いだ▼わが家でも高校生の次女が日々口ずさみ、社会人の長女は12月にある松江公演のチケットが取れないと嘆く。娘たちいわく、おしゃれなメロディーに女子でも出せないほどの高音ボーカル、ピアノの入ったバンドサウンドが魅力▼若い記者たちが手掛けてきた記事には、松江の工業団地のガレージで夜通し練習した逸話などとともに、「国民的バンドになりたい」という4人の夢が繰り返し記されているが、現実になりつつある▼実際、当地の若いファンにとっても既にメジャーバンドであり、地元うんぬんはさほど重要ではなさそう。竹内まりやさん以来の大物アーティストだ!などと騒ぐのは地元紙のオジサンの発想かもしれないが、あえて言いたい。彼らの活躍は山陰に元気を与えてくれる。(輔)

2019年9月6日 無断転載禁止