島根の風景、湿板写真に 松江のデザイナーら出版計画

写真集出版に向け準備を進める豊田美智子さん(中央)らプロジェクトメンバー=松江市東長江町
 「湿板」という珍しい撮影技法を用いる写真家エバレット・ブラウンさん(60)=米国出身、京都在住=が島根県内で撮った作品を集め、写真集の出版を目指すプロジェクトが始動した。ブラウンさんは、松江市ゆかりの文豪・小泉八雲に影響され、古き良き日本の原風景を求めて、宍道湖などをモチーフに多くの作品を生み出している。松江市内のデザイナーらが中心となり24日からインターネットのクラウドファンディングを開始し、年度内の発売を目指す。

 ブラウンさんは小泉八雲が出雲地方を紹介した名著「知られぬ日本の面影」に感銘を受け、1988年に日本に移住。2011年から、ネガを特殊な薬品で湿らせ、約1分かけて1枚を仕上げる湿板技法で風景などを撮っている。薬品を塗るだけで20分、現像にも15分かかり「手間のかかる作業でこそ、日本の繊細な美しい世界を表現できる」としている。

 写真集出版は、松江市在住のデザイナー豊田美智子さん(35)ら3人が企画。豊田さんは撮影でブラウンさんを案内した経験があり、湿板写真に魅了された一人だ。県内のイベントなどでブラウンさんと意気投合した2人も加わった。

 宍道湖の風景、松江市で開かれた日本三大船神事のホーランエンヤ、県西部で盛んな石見神楽など、全て県内で撮影した写真を収録。英語での解説文も併記する予定で、日本を訪れた外国人観光客にも島根の魅力をPRする。募った資金は制作費の他、写真展や講演会の開催費に充てる。

 ブラウンさんは「かつて僕が小泉八雲に感化されたように、日本を知らない人をインスパイア(感化)できたら」とコメント。豊田さんは「どこか懐かしさを感じる写真を見てほしい」とし、協力を呼び掛けている。写真集やクラウドファンディングに関する問い合わせは豊田さん、電話080(5362)9951。

2019年9月19日 無断転載禁止

    • マイベストプロ
    • マイベストプロ島根 マイベストプロ鳥取マイベストプロ