老い、衰えを自覚して

 日が短くなった。露が冷たく感じられる頃とされる寒露(8日)も過ぎて、秋が深まった。秋晴れの日の夕暮れ、一気に暗くなってピンと張った空気の中を帰宅途中、ふっと感じるキンモクセイの香り-。毎年、秋を感じる”セレモニー”だ▼しかし今年はキンモクセイの香りを感じない。自宅への帰り道、何カ所かキンモクセイが香る場所があるのだが、近づいてもまったくだ。今年は雨が多かったから、と言う人がいたが、どうだろう。加齢による嗅覚の衰えの方が説得力がありそうだ▼先日、衰えを痛感する出来事があった。ドラッグストアで浴用タオルと漢方薬を買い、小さなレジ袋に入れてもらって次のマーケットへ。別のマーケットで魚などを買い、もう1軒別の店にも寄って帰宅した▼夕食後、ドラッグストアのレジ袋を何度も探すのだが、ない。2軒目のマーケーットで、買った物をエコバッグに入れ直した際に置き忘れたのだろう、ということになり翌日、店に連絡を入れた。ところが店の返事は「ありません」。誰かが持って行ったと諦めたが、念のため家人が最初のマーケットに電話を入れたら、あった▼何のことはない。商品をバッグに入れる際、脇に置いてそのままにしていたらしい。その間の記憶は全くない。加齢による注意力の低下なのは明らかだ。車の運転も含め、老い、衰えを自覚して事に当たらねば。つくづく思う。(富)

2019年10月10日 無断転載禁止