筋骨隆々の鬼、躍動感再現 石見神楽をフィギュアに

石見神楽をテーマにしたフィギュアの原型を手にする、かたやまひろしさん=大田市温泉津町温泉津
 島根県大田市川合町の造形作家、かたやまひろしさん(51)が、日本遺産に認定された石見神楽をフィギュア化する。「原型師」として、世界的模型メーカーの海洋堂(大阪府)で活躍。同社を離れた後、初めて郷土芸能を立体造形にして命を吹き込む。観光客が神楽フィギュアを土産品として買い求める姿を思い浮かべ、作業に励んでいる。

 かたやまさんは海洋堂在籍時代、人気アニメ「北斗の拳」の肉感あふれるフィギュア原型を手掛けてヒットを呼び、退社後も同社製品の原型を担った。

 今年7~8月、今井美術館(江津市桜江町川戸)であった「海洋堂フィギュア展」でギャラリートークなどに関わる中で、展示関係者が「石見神楽のフィギュアが見てみたい」とつぶやいたことが、制作のきっかけになったという。

 実際に神楽の舞台へ足を運び、写真展を鑑賞してイメージを膨らませた。

 10月に入り、大田市温泉津町の「石見神楽温泉津舞子連中」の協力を得て、男性団員が「塵輪(じんりん)」を舞う様を写真に収め、原型の制作に取り掛かった。

 紙粘土でできた原型は高さ約20センチ。筋骨隆々の鬼を細部まで再現し、今にも動きだしそうな躍動感を持たせた。20日には取り組みを多くの人に知ってもらおうと、同町温泉津である「秋のやきもの祭り」の会場で、来場者に公開しながら仕上げ作業に当たる。

 完成後は、海洋堂と製品化に向けた調整に臨む方針で、シリーズ化を見据え、今後は女性団員が神楽を舞うフィギュアの原型制作も計画している。

 すでに高知県では、かたやまさんが原型を制作し、海洋堂が製造・販売する坂本龍馬や武将・長宗我部元親などのフィギュアが土産品として人気を集めているといい、かたやまさんは「大田や石見神楽の魅力を広める新たな手段となればいい」と、広まりを期待している。

2019年10月16日 無断転載禁止