陰陽和合、古式ゆかしく 隠岐の島で「隠岐武良祭風流」

ご神体を掲げて行列する神職や氏子
 隠岐島後三大祭りの一つで、800年以上の歴史があるとされる「隠岐武良祭風流(むらまつりふうりゅう)」が19日、島根県隠岐の島町中村地区で営まれた。氏子が繰り出す「日神」「月神」の二つの祭神が地区中心部の祭場で出会う陰陽和合の古式ゆかしい神事に、大勢の見物客が見入った。

 鎌倉時代に隠岐の地頭になった佐々木定綱が飢饉(ききん)などに見舞われた地域を救うため、近江国から日神、月神を勧請(かんじょう)したのが起こりとされ、西暦奇数年に開かれる。県指定無形民俗文化財となっている。

 神幸行列では、二つの神社から八咫烏(やたがらす)をあしらった朱色の円盤、ウサギをあしらった銀色の円盤を付けた竿(さお)を掲げた神職が、それぞれの氏子とともに出発。道中では、化粧をした裃(かみしも)姿の男衆が力強い動きで太鼓を打ち鳴らした。ご神体がそのまま公開される祭りは珍しく、見物客が盛んにシャッターを切った。

 町立北小学校横の「唐傘の松」まで進むと、武者姿の行事役が独特の所作で拝礼し、子どもが「神相撲(こずま)」と呼ばれる相撲舞を披露して、豊作や無病息災を祈願した。

 祭りに見入った同町城北町の公務員渡部文明さん(56)は「伝統のしきたりが地域一体で受け継がれる様子に感激した」と話した。

2019年10月20日 無断転載禁止