女子ログ 小さな八百屋さん

 松江のまちなかを歩いていると、小さな八百屋さんを見掛ける。どこもそんなに広い間口ではなく、コンパクトな店構えだ。道幅が狭く建物がぎっしり立つ住宅街に、溶け込むようにひっそりと営業している。

 決してきれいなつくりではないし、品数だってそんなに多くはない。店に出入りしているお客は、周辺に住むと思われるお年寄りが多く、店番のおばちゃんと楽しそうに世間話なんかしている。おそらく、こうしたお年寄りにとって、家の近くにある便利なこの店は、買い物をする場所以上になくてはならない存在なんだろうなあと思う。

 そういえば祖母や母たちもこういう店をよく利用していた。二人とも、車の免許は持っていないから、買い物は全部徒歩。大抵歩いて行ける範囲に八百屋さんや鮮魚店、小さなスーパーマーケットがあった。

 今みたいにどこかの大きなショッピングセンターやディスカウントショップ1カ所でまとめ買いするのではない。彼女たちは複数の店を、はしごしていた。「あすこが安かった」「いいものがあった」なんて話す祖母の事を思い出すと、買い物は結構楽しかったんだろう。

 そんな店は今はどんどん姿を消している。半年前には営業していた店に白いカーテンが掛かって閉店のごあいさつ文が張ってあるのを目にするのは寂しい。(松江市・ブランチ)

2019年10月20日 無断転載禁止