カープと回文

 先週末、マツダスタジアムであったプロ野球広島カープのファン感謝デー。来季のキャッチフレーズが発表されると、選手も駆け付けたファンもすぐには理解できず、一瞬ポカンとしたようだ。『たった今 このAKAの子 舞いたった』▼前から読んでも後ろから読んでも同じ文章になる回文。球団によると、「AKAの子」はファンと選手を表し、永続的に繰り返す回文に、これからもずっとファンと共に戦っていきたいという意味を込めたという▼狙いは分かるが、説明を聞かないと分からない。感想を求められた出雲市生まれの西川龍馬外野手は「想定外だった。ちょっと早いですけど来年(のキャッチフレーズ)が心配です」と、苦笑いを浮かべたらしい▼最近のカープのキャッチフレーズは、独自色では他球団を大きく引き離している。昨季は「℃℃℃(ドドド)」、今季は「水金地火木ドッテンカープ」とリズム感を重視した。小気味よいストレートを2球続けた後、一転して回文というチェンジアップ。打席にいたら空振り三振間違いなしの”投球術”だ▼来季に球団創立70周年を迎えるカープは、現役時代は巧みな投球術で鳴らした浜田市金城町出身の佐々岡真司新監督が就任。36年ぶりの日本一奪回に向け、山陰の鯉党の期待も高まる。独特なキャッチフレーズだけでなく成績でも『わたし 負けましたわ』の回文を他球団に言わせたい。(健)

2019年11月27日 無断転載禁止