女子ログ 暗くなった町

 昭和30~40年代にできた住宅地では、子どもたちは独立して外へ出て行く。元々は核家族で暮らすことを想定して建てられた家ばかりで、子どもが結婚して同居するには狭いからだ。

 リフォームでもすれば別だが、大抵は別に家を建てたり、マンションを買ったりして、たまの休みに顔でも出すか、というところに落ち着く。かく言う私もその一人だ。

 先日、お裾分けを届けようと実家に立ち寄った。久しぶりに居間でコーヒーを飲んでいると、母が近所の人たちの近況を話し始めた。近所の方々は母と同世代か、少し上の人たちなのだが、体を悪くして入院したとか、遠くに住む子どもが1人暮らしの親を心配して自分の家に引き取ったとか、中には便利のいい高齢者向け住宅に引っ越したとか…。話はいつもの通りだらだらと長い。「ふーん、そうなの」など適当に相づちを打ちながら、気のない返事をしていた。

 日も暮れたので、そろそろ帰ろうと思い、話を遮って外に出た。「ん、なんか変だぞ」。明かりのついた家が少なく、やたらと通りが暗い。母の言う通り、住んでいる人が本当に減ってしまったのだ。ちょっと母のことが心配になってきた。もう少し顔を出すようにしよう。

(松江市・マッシュポテト)

2019年11月30日 無断転載禁止