号砲一発

 号砲一発。松江市総合体育館前を一斉に駆け出すランナーたち。その数、実に4417人。まさに壮観の一言だ。きのう開催された「国宝松江城マラソン」。沿道では多くの市民がランナーに声援を送った▼こちらの声援は松江の何倍になるだろう。札幌開催が決まった来夏の東京五輪のマラソン。発着点は札幌市中心部の大通公園で落ち着きそうだが、沿道で観戦しやすいという理由で、午前6時の号砲を1時間繰り下げる案が浮上しているという。ドタバタ劇はまだ収まらない▼「実はもう一つ問題がある」と地元紙記者から聞いた。コース付近に掲示された企業広告の看板などへの対応。五輪の競技会場では商業目的の設備、広告表示は許されていない。テレビ中継で映るのもご法度でコースの細かいチェックが必要という▼現実的にはカメラワークでごまかす可能性が高いものの、低い位置にある看板なら、黒い布で覆いかぶすような対処も想定される。東京開催なら、コースがほぼ同じで、男女各2人の代表を決めたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)を参考にできたのに、という嘆き節も聞こえてきそうだ▼きのうは男子の残り1枠を争う「MGCファイナルチャレンジ」の一つ、福岡国際マラソンもあった。東京五輪本番まで残り8カ月。着々と進む代表争いに比べ、五輪の号砲までの道のりは山あり谷ありの苦難が続いている。(健)

2019年12月2日 無断転載禁止