教育の魅力化って何?

 「教育の魅力化」が島根県や県教育委員会の各種指針で柱になっている。中山間地域・離島の公立高校で2011年度に始まった魅力化事業が源流にあり、トップランナーが隠岐島前高校だ▼どれだけの効果が出ているのか。一般財団法人「地域・教育魅力化プラットフォーム」などが、同校の地元3町村の人口減少を6%程度抑制したと推計する地域社会や経済への効果を初めて数値で示した▼人口減少が進む島根。県外から子どもや家族を呼び込み、地域資源を生かした特色ある学習を通じ、卒業後も地域に関わる人材を育てる好循環を生み出そうと、現在は20校が取り組む。小中学校などにも広げて進めるのが教育の魅力化だ▼ただ、定義は分かりにくく、具体的に何を目指すのかがはっきりしない。県外から呼び込む「しまね留学」の卒業後の動向はどうなっているのか。県民の血税を投入している以上、各地域で期限を区切った上での目標設定、取り組みの検証、成果の公表が不可欠だ。地元の子どもたちのための魅力化であることが大前提になる▼県財政は厳しく、財源は限られる。しまね留学自体を否定しないが、地元の子どもたちへの投資、支援がおろそかになってはいけない。貧困やいじめ・不登校、学力向上など教育を巡る課題は複雑化している。まずは地元の子どもたちが幸せになることが重要だと思うのは自分だけだろうか。(添)

2019年12月14日 無断転載禁止