Iターン・北村さん 「よそ者」視点で松江の魅力発信

観光客に玉造温泉街を案内する北村恵理さん(左)=松江市玉湯町玉造、松江観光協会玉造温泉支部
 声優業を続けながら移住した松江市で観光振興に情熱を傾ける女性がいる。神奈川県出身で玉造温泉旅館協同組合に勤める北村恵理さん(32)。「よそ者」の視点で来訪者をもてなし、松江観光の魅力発信に力を注ぐ。

 北村さんは2015年8月にスマートフォン向けゲームで声優デビュー。人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」のキャラクターが松江の怪談を紹介する動画にも出演している。

 テレビアニメ「サザエさん」の磯野波平役を担当する人気声優・茶風林さんが松江市内で企画する怪談朗読会のスタッフとして、16年10月に初めて松江市を訪問。塩見縄手地区で「松江水燈路」のあんどんと夕暮れの空とのコントラストに心を奪われ「松江の町並みに恋をした」という。

 その後、旅行などで何度も島根を訪れて移住への思いを強め、19年6月にIターン。観光業に携わる人材を育てる「しまねおもてなし塾」を受講し、現在の職に就いた。

 観光振興に携わることを決めたのは、来訪者に観光情報が行き届いておらず、十分に楽しめていない現状があると知ったからだ。「島根に行ったけれど、いまいちだったと言われるのが悔しい」と話し、平日は組合の事務職として働き、週末は松江観光協会玉造温泉支部のガイドとして、豊富な観光情報を旅行者に届ける。「おせっかいなくらい情報を伝える。選択肢が多いほどお客さんに島根の魅力に触れてもらえる」と意義を話す。

 「観光客にとって一生に一度の松江にしないこと」が目標で、将来は一人一人に最適な旅行プランを考え、案内する「コンシェルジュ」になる夢を描く。

 松江城天守の国宝指定5周年の今年は、怪談朗読会で築城物語を披露する一方、県外からの参加者向けに玉造温泉の宿泊ツアーも計画する。「旅行者だった目線を忘れず、わざわざ島根を訪れてくれた人に楽しい時間を過ごしてもらいたい」と意気込む。

2020年1月14日 無断転載禁止