縁人ゆかりびとと縁人口 あの人もこの人も島根出身

元JC総研客員研究員 黒川 愼司 

 正月恒例の都道府県対抗男子駅伝をテレビで観戦しました。島根県は画面にほとんど登場しませんでしたので、チャンネルを回しながらの視聴となりました。

 チャンネルが駅伝で止まったのは、長野県のアンカー・中谷雄飛選手がトップでタスキを受け継いだときです。中谷選手は早稲田大2年で、大学の同窓です。「中谷頑張れ、1位を守りきれ」と応援し、わずかな時間ですが、私は「長野縁人(ゆかりびと)」となりました。秋の出雲全日本大学選抜駅伝でも快走を期待します。

 ところで正月は、うれしい行事での年明けでした。プロ野球広島東洋カープ「佐々岡真司監督就任祝賀会」への出席がそれです。

 佐々岡監督の就任について「島根から3人目のプロ野球監督の誕生」と話したら、「梨田昌孝さんに次いで2人目だろ」との反論がありました。その人は、元中日監督の谷繁元信さんは、広島生まれだから島根ではないとの主張です。

 江の川高校(現・石見智翠館高校)から横浜大洋への入団ですから、谷繁さんは立派な島根出身者です。「ご縁の国しまね」だとか、関係人口の増大を目指すなら「島根出身者」として大切に遇するべきだと思います。

 巨人の戸根千明投手も石見智翠館出身。広島の中村恭平投手は立正大淞南高校を卒業しました。さらに広島の西川龍馬選手は母親が出雲の出身で、出雲生まれですから、本当の島根出身者です。佐々岡、中村、西川の「カープ島根トリオ」の活躍を期待します。

 昨年の紅白歌合戦に初出場した「Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)」は、今や大変な人気グループ。ボーカルの藤原聡さんは鳥取県米子生まれですが、グループとしての「ヒゲダン」は、松江生まれの立派な島根出身者。全国に「ヒゲダン」の故郷は島根と大声で言いましょう。

 また、NHKの今年の大河ドラマは「麒麟がくる」ですが、この主人公の明智光秀役を演じているのは長谷川博己さん。そのお父さんは、松江生まれ。松江市には蕎麦処(そばどころ)・八雲庵を経営する、父方のいとこがいます。そのいとこによれば、長谷川さんは年に1回くらいは帰ってくるとのことです。

 地域ガバナンス論の専門家である小田切徳美明治大学教授は「まち・ひと・しごと創生」の「ひと」は、人口ではなく人材とし、「人口減でも人材増」が新たな目標。この人材増を通じて「にぎやかな過疎を形成」と提起しています。

 最近関係人口という言葉をよく目にします。私はこの関係人口を、平易な「縁(ゆかり)人口」と読みかえます。前述した各界で活躍する人材は、島根縁人(ゆかりびと)であり、縁人口です。

 今年は、佐々岡新監督誕生、ヒゲダン大ブレーク、長谷川博己さん大河ドラマ主役と、島根の風が吹いています。この風を媒介に島根縁人口を拡大し「にぎやかな過疎島根」を形成しましょう。

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 くろかわ・しんじ 江津市波子生まれ、早稲田大卒。JA島根中央会で農政、広報、福祉、青年組織を担当。その後、JC総研客員研究員を務めた。松江市在住。

2020年3月8日 無断転載禁止