マスク信仰

 浜田市が今月5日、友好都市協定を結ぶ中国の2都市へ計2万枚の備蓄マスクを発送する手続きに入ったことで、市民から苦情が相次いだ。市内で入手困難な中、中国へ送るのは「どうなのか」という苦言だ。市によると、両都市から要望を受け、送付を約束したのが2月上旬。中国側で複数の機関が間に入り、輸送の手配も時間がかかった。この間、日本では新型コロナウイルスの感染が広まり、マスクの希少性が高まった▼中国政府は「新規感染者が減った」と主張するが、情報はうのみにできない。マスクは「約束を守る」という石見人の気概を中国側に知らしめることになるだろう▼韓国では、マスクを購入するための行列が感染リスクを高めるため、生まれ年で曜日と枚数を決めて販売する、事実上の統制品にしたという。他国もマスク不足が深刻化している▼「マスクは感染の予防にならない」とは世界保健機関(WHO)の指針。発熱、せき、くしゃみ、呼吸困難の人は感染を広げないためにも着用すべきで、予防では唯一、感染者の世話をする人に着用を勧めている▼一般の健康な人が感染を防ぐ気持ちで着用していないか。せきやくしゃみが出ていないのにマスク姿が人前に出る「たしなみ」と思い込んでいないか。必要以上のマスク信仰が医療現場や本当に必要な人を窮地に立たせる。重症のアレルギー性鼻炎の立場から申し上げたい。(釜)

2020年3月19日 無断転載禁止